2010 年 107 巻 8 号 p. 1255-1261
2009年9月,米国医薬食品局(FDA)は「治療用がんワクチンについての臨床的考察 Clinical considerations for Therapeutic cancer vaccines」を発表した.がんワクチン療法が,副作用が少なく高いQOLを保つ治療法となる可能性に言及している.がん治療の概念が変わりつつあることを,FDAガイダンスの解説から紹介し,現在,われわれの共同臨床研究ネットワークで実施されている膵癌,食道癌,大腸癌の「がんペプチドワクチン療法」の現状と今後の展開について紹介する.