日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:B 型肝炎ウイルス再活性化の問題点とその対策
モニタリングによるB型肝炎再活性化の予防
楠本 茂田中 靖人溝上 雅史
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2010 年 107 巻 9 号 p. 1441-1449

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抄録

がん化学療法・免疫抑制療法にともなうB型肝炎対策ガイドラインが厚生労働省研究班によって2009年1月に発表された.スクリーニング検査におけるHBs抗原に加えて,HBc抗体およびHBs抗体の測定は必要不可欠である.いずれか陽性の場合にはHBV-DNA定量検査を行うことによってB型肝炎再活性化リスクを判断する.HBs抗原陽性例およびHBs抗原陰性ハイリスク群の臨床経過の違いを理解し,抗ウイルス薬予防投与(prophylaxis)およびHBV-DNAモニタリングによる早期発見・早期治療(preemptive therapy)の対策法を行うことが重要である.

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© 2010 (一財) 日本消化器病学会
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