日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
総説
炎症性腸疾患におけるゲノム研究の最前線
浅野 光一梅野 淳嗣松本 主之
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2011 年 108 巻 12 号 p. 1967-1976

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抄録

近年,ゲノムワイド関連研究をはじめとしたゲノム研究はめざましい進歩を遂げている.炎症性腸疾患(IBD)の領域においても,現在までに約100の関連遺伝子領域が同定され,その結果disease pathwayを想定することが可能となった.しかしながら,IBDの遺伝的要因に未解明の点が多いこと,人種差や環境の差異により疾患関連遺伝子の影響度も異なることなども明らかになってきた.これらを解明するため,同定されたIBD関連遺伝子領域のさらなる詳細な解析に加え,まれな遺伝子多型やコピー数多型の解析,さらに腸内細菌叢などの環境要因と遺伝子との間の相互作用など,さまざまな遺伝的要因に関する研究が続けられている.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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