ラミブジン(LAM)とアデホビル(ADV)併用療法を12カ月以上行い,HBV DNAが3log copies/ml以上を示したB型慢性肝疾患18例を対象とし,48週以上ADVとエンテカビル(ETV)の併用療法を行いウイルス動態についての検討を行った.LAM耐性例,ADV耐性例,ETV耐性例,多剤耐性例はそれぞれ100%,27.8%,33.3%,55.6%であった.平均HBV DNAはベースラインで4.1log copies/mlより48週の時点で2.9log copies/mlと低下した.ETV耐性を有する症例でHBV DNA減衰量は低下した.本併用療法による副作用は出現せず,48週の経過で新たに獲得したアナログ耐性は認めなかった.テノホビル(TDF)が使用できない本邦の現状ではLAMとADV併用不応例に対して,ADVとETV併用療法は試みるべき治療と思われた.