日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:B型慢性肝炎に対する最新の治療
ラミブジンとアデホビル併用不応例に対するアデホビルとエンテカビル併用療法
小関 至木村 睦海荒川 智宏中島 知明桑田 靖昭赤池 淳大村 卓味佐藤 隆啓狩野 吉康豊田 成司
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2011 年 108 巻 2 号 p. 202-209

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抄録

ラミブジン(LAM)とアデホビル(ADV)併用療法を12カ月以上行い,HBV DNAが3log copies/ml以上を示したB型慢性肝疾患18例を対象とし,48週以上ADVとエンテカビル(ETV)の併用療法を行いウイルス動態についての検討を行った.LAM耐性例,ADV耐性例,ETV耐性例,多剤耐性例はそれぞれ100%,27.8%,33.3%,55.6%であった.平均HBV DNAはベースラインで4.1log copies/mlより48週の時点で2.9log copies/mlと低下した.ETV耐性を有する症例でHBV DNA減衰量は低下した.本併用療法による副作用は出現せず,48週の経過で新たに獲得したアナログ耐性は認めなかった.テノホビル(TDF)が使用できない本邦の現状ではLAMとADV併用不応例に対して,ADVとETV併用療法は試みるべき治療と思われた.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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