日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
膵切除後に残膵に再燃をきたした自己免疫性膵炎の2例
井上 潤増田 充弘斉藤 雅也斧山 美津子塩見 英之外山 博近新関 亮松本 逸平林 祥剛牧野 哲哉多田 秀敏久津見 弘具 英成東 健
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2011 年 108 巻 4 号 p. 640-649

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抄録

自己免疫性膵炎の診断基準2006の改定にともない限局性のAIPが数多く報告されるようになった.しかし,限局性のAIPは膵癌との鑑別が困難で,確定診断に苦慮する例がしばしば存在する.今回われわれは,鑑別診断が困難で膵切除術に至り術後に残膵に再燃をきたしたAIPの2症例を経験した.2症例はともに肺門部リンパ節腫大をともなっていた.AIPは全身性IgG4関連疾患であるという概念が広く認知され,膵外病変やステロイドの反応性を含めた診断基準の必要性も示唆された.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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