日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
原著
ENPDチューブ留置での連続膵液採取による細胞診の小膵癌診断への有用性の検討
木村 公一古川 善也山崎 総一郎香川 幸一坂野 文香花ノ木 睦巳久留島 仁松本 能里山本 昌弘辻田 英司山下 洋市藤原 恵
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2011 年 108 巻 6 号 p. 928-936

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抄録

ENPD留置での膵液細胞診の有用性の検討を行った.対象は2005年5月から2009年2月に膵液細胞診目的にENPDを留置した157例.細胞診は原則3回行った.回数別感度は1回目0.35,3回目まで0.59で,3回目までで有意に感度が高かった(p<0.01).膵癌腫瘍サイズ別感度は,Tis・TS1 0.77,TS2 0.76,TS3 0.56,TS4 0で,4群間でp=0.01の有意差を認め,小膵癌で有意に感度が高かった.ENPD留置での膵液細胞診は,繰り返しできることで正診率が向上している.小膵癌ほど陽性を検出しやすく,上皮内癌の診断も可能であり,早期診断方法として有用である.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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