ENPD留置での膵液細胞診の有用性の検討を行った.対象は2005年5月から2009年2月に膵液細胞診目的にENPDを留置した157例.細胞診は原則3回行った.回数別感度は1回目0.35,3回目まで0.59で,3回目までで有意に感度が高かった(p<0.01).膵癌腫瘍サイズ別感度は,Tis・TS1 0.77,TS2 0.76,TS3 0.56,TS4 0で,4群間でp=0.01の有意差を認め,小膵癌で有意に感度が高かった.ENPD留置での膵液細胞診は,繰り返しできることで正診率が向上している.小膵癌ほど陽性を検出しやすく,上皮内癌の診断も可能であり,早期診断方法として有用である.