2012 年 109 巻 11 号 p. 1878-1884
肝内胆管癌は,危険群の設定が困難で,無症状のまま進行し進行癌の状態で発見されることが多い.唯一の根治的治療は手術であるが,予後因子のひとつとしてリンパ節転移の有無があげられる.2010年4月の診療報酬改定により,PET/CTが肝内胆管癌においても保険適応となった.PET/CTの意義は,術前の転移巣の検索,主腫瘍のFDGの取り込みからの再発予測,リンパ節転移の診断にある.PET陽性リンパ節をともなう肝内胆管癌の切除後の予後は非常に不良であることから,PETは術前化学療法の適応決定に期待されている.また,肝内胆管癌術後の再発パターンは多様であることから,術後の経過観察にも有用であろう.