日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
原著
本邦におけるNAFLD fibrosis scoreの有用性について
中野 正和室久 俊光今井 康雄平石 秀幸
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2012 年 109 巻 5 号 p. 751-759

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抄録

NAFLD 52例を対象に欧米で有用とされる肝線維化診断のためのスコアリングシステムの診断能について検討した.NAFLD fibrosis score(NFS)のAUROCは0.913と高値であり,ROC解析に基づき従来のlow cutoff値-1.455を-0.876に改変すると,線維化進展例の診断能は感度100%,特異度82.5%,陽性的中率63.2%,陰性的中率100%と良好な結果が得られた.本邦においてもNFSは線維化進展例の除外に有用であり,BMIが比較的低値とされる日本人に対してはlow cutoff値を-0.876に改変することで軽度線維化例との良好な鑑別が可能と考えられる.

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© 2012 (一財) 日本消化器病学会
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