日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
成人後に診断され,複数回の肝生検にて肝線維症の進展を経時的に観察し得たCOACH症候群の1例
牧野 祐紀井倉 技今井 康陽福田 和人澤井 良之小来田 幸世上ノ山 直人土井 喜宣木曽 真一平松 直樹田村 信司林 紀夫竹原 徹郎
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2012 年 109 巻 7 号 p. 1223-1229

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抄録

30歳男性.13歳時に先天性肝線維症と診断され経過観察中,胃静脈瘤加療および脳死肝移植適応評価目的にて入院した.入院後の肝生検にて13歳時に比べさらに肝線維症の進行を認めた.また精神遅滞,小脳失調,小脳虫部低形成,脈絡膜欠損を認めCOACH症候群と診断した.COACH症候群は過去数十例の報告しかない極めてまれな疾患で,成人後に診断され肝線維症の進行を組織学的に追跡し得た点でも貴重な症例である.

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© 2012 (一財) 日本消化器病学会
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