日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
漢方薬長期内服者に発症した特発性腸間膜静脈硬化症の1例
野村 浩介菊池 大輔飯塚 敏郎山田 晃弘古畑 司土門 薫山下 聡中村 仁紀松井 啓三谷 年史小川 修布袋屋 修貝瀬 満
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2012 年 109 巻 9 号 p. 1567-1574

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抄録

症例は59歳女性.1年程前より2カ月に1度,右下腹部痛を自覚し当院を受診した.下部消化管内視鏡検査で回盲部から横行結腸にかけて浮腫状で青銅色の粘膜を認め,また腹部CTで同部位の壁肥厚と壁の線状石灰化を認め,特発性腸間膜静脈硬化症と診断した.病歴聴取により,アレルギー性鼻炎に対し17年間辛夷清肺湯を内服していたことが判明した.漢方薬の内服中止後の約1年間,腹痛の出現を認めることなく経過している.

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© 2012 (一財) 日本消化器病学会
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