日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
総説
膵癌:発生・進展の分子機構
佐藤 賢一
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キーワード: 膵癌, 癌化, 転移, 癌進展
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2013 年 110 巻 12 号 p. 2042-2050

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抄録

膵の癌化はK-ras遺伝子の変異によって始まり,p16p53Smad4などの癌抑制遺伝子の欠失や変異,さらにmicroRNAの異常発現が加わり,前癌病変のPanINを経て多段階的に発生する.遺伝子改変マウスを用いた実験からは,炎症が膵癌化を促進することも明らかにされている.膵癌の浸潤・転移には,癌と間質の相互作用や上皮間葉形質転換(EMT)といった現象が関与している.また,膵癌細胞の免疫機構からの逃避や抗がん剤耐性機構に,膵癌間質が重要な役割を果たしていることが示唆されている.

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© 2013 (一財) 日本消化器病学会
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