近年腫瘍径1cm以内の膵がんは長期予後が期待されると報告されている.従来の診断は,US,造影CTを用いて"腫瘤を拾い上げる"アルゴリズムであったが,小径の膵がんを診断するには"膵管の異常"を捕捉することが重要である.USで間接所見である膵管拡張,膵嚢胞性病変を拾い上げ,次いでEUS,MRCPを積極的に介入させるアルゴリズムの構築,詳細なERCPを応用した複数回の膵液細胞診も重要である.一方,危険因子の理解・啓蒙を基軸とした地域病診連携の推進,USを基軸とした検診の整備,膵がん患者家族の登録制度,非侵襲的なメタボロニクスなどを考慮した,要精検者の効率的なスクリーニング体制の構築も求められる.