日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:膵がん診療の現状と展望
膵がん早期診断の新たな展開
花田 敬士飯星 知博
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 110 巻 12 号 p. 2051-2059

詳細
抄録

近年腫瘍径1cm以内の膵がんは長期予後が期待されると報告されている.従来の診断は,US,造影CTを用いて"腫瘤を拾い上げる"アルゴリズムであったが,小径の膵がんを診断するには"膵管の異常"を捕捉することが重要である.USで間接所見である膵管拡張,膵嚢胞性病変を拾い上げ,次いでEUS,MRCPを積極的に介入させるアルゴリズムの構築,詳細なERCPを応用した複数回の膵液細胞診も重要である.一方,危険因子の理解・啓蒙を基軸とした地域病診連携の推進,USを基軸とした検診の整備,膵がん患者家族の登録制度,非侵襲的なメタボロニクスなどを考慮した,要精検者の効率的なスクリーニング体制の構築も求められる.

著者関連情報
© 2013 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top