日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:ペプシノゲンの過去・現在・未来
胃がん検診におけるペプシノゲン法,ABC分類,および胃X線検査の位置づけ
中島 滋美
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 110 巻 2 号 p. 225-233

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抄録

ペプシノゲン(PG)法,ABC分類および胃X線検査の現状と問題点,および胃がん検診における位置づけを考察した.PG法は血清学的胃粘膜萎縮診断法で,効率よく胃がん危険群を囲い込むことができるが,PG陰性胃がんが存在するため胃がんを見落とす可能性がある.PG法と血清ヘリコバクター・ピロリ(Hp)抗体検査を併用したABC分類は,両者の弱点を補い合う組み合わせで,血液検査で簡便に実施できる胃がんリスク評価法である.胃X線検査は対策型検診として唯一認められている検査法で,画像によるHp感染診断も可能である.ABC分類と胃X線検査を相補的に利用すると,効率のよい「リスク別胃がん予防&検診」が構築できる.

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© 2013 (一財) 日本消化器病学会
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