IgG4関連硬化性胆管炎（IgG4-SC）をretrospectiveに検討し，臨床像とCT所見による胆管癌との鑑別診断の可能性について報告する．対象はIgG4-SC 16例，胆管癌10例である．IgG4-SCは年齢中央値70歳，男女比15：1で，13例に対しステロイド治療を行い，全例で狭窄が改善した．CT所見では，同心円状の壁肥厚，狭窄部の内腔開存，狭窄部最外層が平滑，造影早期相での造影増強なし，膵腫大あり，の各項目について検討し，少数例の検討であるがIgG4-SCは，同心円状の壁肥厚所見と合計点数において胆管癌と有意差がみられ，IgG4-SC診断の一助となる可能性が示唆された．
