2014 年 111 巻 10 号 p. 1933-1939
近年,食道内圧検査においてhigh resolution manometry(HRM)が開発され,従来の検査法に比べてより詳細に食道運動を評価することができるようになった.さらに,HRMを用いた新たな食道運動障害の分類であるシカゴ分類が提唱され,必ずしも食道内圧に精通していなくても食道運動を評価できるようになっている.さらに,HRMを用いるとさまざまな食道運動を評価することができるため,より詳細な病態生理の解明に役立つことが期待されている.ただし,HRMを行う際には注意すべき点もあり,それらの問題点を十分に理解していないと誤った診断をしてしまう可能性があるので注意が必要である.