2014 年 111 巻 4 号 p. 737-742
【背景】HIVコントロールの改善によりHIV/HCV重複感染者の死因として肝疾患の割合が増加している.【目的】重複感染者におけるacoustic radiation force impulse(ARFI)elastographyによる肝疾患進行度評価の有用性を明らかにする.【方法】肝実質硬度をせん断弾性波の速度(Vs)として定量化し,他の肝機能評価項目との相関を検討.【結果】Vs値は血小板数,脾容積,ヒアルロン酸,IV型コラーゲン,アシアロシンチLHL15値と有意な相関あり.【考察】ARFIは肝線維化・予備能評価に有用であり,HIV/HCV重複感染者に対する非侵襲的で正確な肝疾患進行度評価に応用可能と考えられた.