日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
食道癌および中咽頭癌に対する根治的化学放射線併用療法の晩期有害事象と考えられたtherapy-related myelodysplastic syndromeの1例
神原 悠輔佐藤 康史高田 弘一岡川 泰井山 諭佐藤 勉宮西 浩嗣瀧本 理修小船 雅義加藤 淳二
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 112 巻 9 号 p. 1664-1673

詳細
抄録

症例は80歳男性.中咽頭癌および胸部上部食道癌の重複癌にて根治的化学放射線療法を2コース施行し,CRを得た.6年後徐々に進行する貧血を認め,骨髄検査と経過よりtherapy-related myelodysplastic syndrome(t-MDS)と診断した.晩期有害事象としてまれだが,t-MDSは極めて予後不良であり,治療前の十分な説明と終了後の慎重な経過観察が必要である.

著者関連情報
© 2015 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top