2016 年 113 巻 12 号 p. 1998-2003
日本膵・胆管合流異常研究会において『先天性胆道拡張症の診断基準2015』を作成し,いわゆる狭義の先天性胆道拡張症の診断基準を明らかにした.先天性胆道拡張症とは,総胆管を含む肝外胆管が限局性に拡張する先天性の形成異常であり,必ず膵・胆管合流異常を合併するもので,肝内胆管の拡張をともなう例も含めると定義した.胆管拡張の診断は,患者の胆管径は超音波検査,MRCP,CTなど胆道に圧のかからない検査による総胆管の最大内径をもって,年齢別の胆管径の上限値を参考に拡張の有無を客観的に判断することが重要である.拡張形態は,先天性胆道拡張症の戸谷分類のIa型,Ic型,IV-A型に相当するものに限るものとした.