日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
急性膵炎による腹痛を契機に発見された膵動静脈奇形の1例
佐藤 浩平門田 一晃植木 亨辰川 匡史貞森 裕坂口 孝作高倉 範尚
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2016 年 113 巻 7 号 p. 1223-1229

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抄録

症例は60歳代男性.心窩部痛を主訴に前医を受診し,急性膵炎と診断された.保存的治療で一旦改善したが,反復する上腹部痛と膵仮性囊胞の形成を認め,当院紹介となった.腹部血管造影検査にて膵動静脈奇形と診断し,急性膵炎の原因と考えられたため,膵体尾部切除術を施行した.術後,腹痛や膵炎の再発は認めていない.有症状で内科的治療のみでは治療困難な膵動静脈奇形に対して,外科的切除は根治的治療になりうると考えられた.

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© 2016 (一財) 日本消化器病学会
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