日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
内視鏡検査により嘔吐・下痢が誘発され急性腎障害を発症した十二指腸ガストリノーマの1例
三浦 雅北村 和哉荒井 邦明川口 和紀山下 太郎酒井 佳夫山下 竜也水腰 英四郎本多 政夫金子 周一
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2017 年 114 巻 1 号 p. 69-77

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抄録

症例は51歳女性.四肢脱力を主訴に受診,精査により十二指腸ガストリノーマと診断した.選択的動脈内カルシウム注入試験(SACI test)で局在診断を行い,外科切除した.入院中,内視鏡後に急性腎障害(AKI)を発症する激しい嘔吐,下痢を繰り返した.内視鏡後に増悪をきたしたガストリノーマの報告はこれまでない.原因不明だがガストリノーマの症例に対し内視鏡を行う際は,十分な補液や鎮静,プロトンポンプ阻害薬高用量投与を考慮すべきと考えられた.

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© 2017 (一財) 日本消化器病学会
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