日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:GERD診療の進歩と問題点
GERDに対する外科治療の変遷と最新の内視鏡治療
井上 晴洋角 一弥鬼丸 学
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2017 年 114 巻 10 号 p. 1797-1803

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抄録

薬剤抵抗性GERD(胃食道逆流症)に対する標準的治療は,Nissen手術に代表される外科手術である.いわゆる難治性GERD症例には,食道裂孔ヘルニアが存在し,その解剖学的修復のために外科手術が行われる.腹腔鏡下逆流防止手術は,小さい皮切しか残らず,手術時間2時間以内の安全性の高い手術であり,外科手術のなかで低侵襲手術の代表格である.さらに最近では,滑脱型を有さない食道裂孔ヘルニア症例に内視鏡的噴門形成術(ARMS)を施行している.これまでに92例の症例にARMSを施行した.24時間pH-impedance検査や症状スコアでも有意な改善がみられ,新しい内視鏡治療として成立しうると考えている.

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© 2017 (一財) 日本消化器病学会
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