日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
重症急性膵炎を契機に自然退縮した膵動静脈奇形の1例
長澤 真帆川田 一仁山﨑 哲千田 剛士則武 秀尚森田 剛文坂口 孝宣山下 修平神谷 実佳小林 良正
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2017 年 114 巻 11 号 p. 2012-2019

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抄録

症例は49歳男性.膵動静脈奇形(AVM)が原因で重症急性膵炎を発症したが,保存的治療中に膵AVMの自然退縮を認めた.その後,残存する膵AVMの流入血管に出現した動脈瘤に塞栓術を行った.塞栓1年後には膵AVMは完全消失し,その後6年以上再燃を認めない.急性膵炎をともなう膵AVMは急性期に外科的膵切除術を選択されることが多いが,本症例は重症急性膵炎の経過中に膵AVMが自然退縮した極めてまれな1例であった.

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© 2017 (一財) 日本消化器病学会
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