日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
禁煙後に発症し,喫煙再開により粘膜治癒が得られた治療抵抗性潰瘍性大腸炎の1例
浜本 哲郎大谷 正史松本 栄二堀 立明鶴原 一郎八島 一夫磯本 一
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キーワード: 潰瘍性大腸炎, 喫煙, 禁煙, 煙草
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2017 年 114 巻 12 号 p. 2134-2141

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抄録

症例は42歳,男性.禁煙後に血便が出現し潰瘍性大腸炎と診断された.5-ASA,プレドニゾロンの投与で寛解導入したが減量にともなって再燃し,強力静注療法,白血球除去療法,抗TNF-α製剤,タクロリムスなどで加療したが,寛解導入できなかった.ところが,喫煙の再開で血便は消失し,内視鏡的にも粘膜治癒を確認した.禁煙後に発症し,喫煙の再開で寛解に至ったことから,ニコチンや一酸化炭素を介した抗炎症作用が考えられた.

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© 2017 (一財) 日本消化器病学会
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