2017 年 114 巻 3 号 p. 422-430
Peutz-Jeghers症候群,若年性ポリポーシス症候群,PTEN過誤腫症候群は,いずれも過誤腫性ポリポーシスをきたす常染色体優性遺伝の疾患である.発症頻度はそれほど高くない疾患であるが,ポリープ増大に対する治療と悪性腫瘍の高リスク群としてのサーベイランスの両方を適切に行っていく必要がある疾患であり,診断や治療の遅れにつながることのないよう,各疾患の特徴を理解しておく必要がある.本稿では,各疾患の臨床的特徴,原因遺伝子,ポリポーシスに対する治療,発癌リスクとサーベイランス方法について解説する.