日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
肝生検で診断しえた血中IgG4値正常の自己免疫性膵炎をともなわないIgG4関連硬化性胆管炎の1例
古田 光寛江口 大樹竹田 善哉伏木 邦博安田 剛士小野澤 由里子片山 政伸田中 基夫重松 忠馬場 正道
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2017 年 114 巻 3 号 p. 464-472

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抄録

IgG4関連硬化性胆管炎は血中IgG4値高値となるが,血中IgG4値正常であり肝生検で診断しえた自己免疫性膵炎をともなわない例を経験した.61歳男性が肝機能異常で受診した.血中IgG4値は正常だが肝門部を中心に肝内胆管,中部胆管まで胆管狭窄を認めた.肝生検ではIgG4陽性形質細胞浸潤があり診断基準を満たす組織像であった.血中IgG4値正常でも疑わしい症例では肝生検を考慮すべきである.

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© 2017 (一財) 日本消化器病学会
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