2017 年 114 巻 5 号 p. 813-818
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は,世界的な肥満人口の増加を背景として,その増加が全世界規模で大きな公衆衛生上の問題となってきている.多数の疫学研究を統合した結果,全世界規模での非飲酒者に占めるNAFLDの割合は,25%と推定された.NAFLDは内臓肥満を背景としてインスリン抵抗性を主因におこってくる疾患であるため,メタボリックシンドロームの構成因子である脂質異常症,糖尿病を合併,新規発症することが多い.また遺伝素因の関与が濃厚に疑われる疾患でもあり,近年いくつかの疾患感受性遺伝子多型が報告されている.