日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
大腸癌に類似した形態を呈した魚骨肉芽腫の1例
北川 浩松倉 史朗宮原 貢一赤川 泉湯ノ谷 誠二
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2017 年 114 巻 9 号 p. 1658-1664

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抄録

症例は76歳の男性.大腸がん検診の2次検診目的に下部消化管内視鏡を施行され,S状結腸に大腸癌(3型)を疑う病変を認めたが,生検では活動性の潰瘍と診断された.高次医療機関による追加精査で魚骨肉芽腫と診断され,魚骨は内視鏡的に除去可能であった.魚骨による大腸病変は非常にまれであるが,ときに潰瘍を形成し悪性疾患との鑑別を必要とする.腹部所見や魚骨の大腸壁への刺入状態により内視鏡的治療も選択の1つになりうる.

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© 2017 (一財) 日本消化器病学会
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