日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
長期経過で画像にてmacrocystic typeからmicrocystic typeへの形態変化を観察し得た膵漿液性囊胞腫瘍の1例
松枝 克典豊川 達也槙野 貴文上田 祐也坂田 雅浩藤田 勲生堀井 城一朗村上 敬子稲垣 優
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2017 年 114 巻 9 号 p. 1675-1684

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抄録

45歳男性.初診時に,膵頭部に24mmのmacrocysticな囊胞性病変を認めた.6年間で隔壁の出現や隔壁肥厚をともない42mmまで増大し,悪性化も否定できず手術を施行し,組織学的にmicrocystic typeの漿液性囊胞腺腫と診断した.囊胞内部に囊胞内出血と,壁内出血をともなう厚い線維性組織からなる隔壁を認めた.経時的に多彩な形態変化を観察し得,膵漿液性囊胞腫瘍の自然史を探る上で貴重な症例と考えられた.

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© 2017 (一財) 日本消化器病学会
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