2018 年 115 巻 10 号 p. 868-880
本邦の食道扁平上皮癌では食道・頭頸部・胃に多発重複発癌するfield cancerizationが特徴的である.飲酒・喫煙・野菜果物不足に加え,エタノールとアセトアルデヒドへの曝露が増えるADH1B低活性型とALDH2欠損型の組合せでリスクが増加する.ALDH2欠損を判別する簡易フラッシング質問紙法によるフラッシャーやその関連所見のMCV増大,メラノーシスは高危険群の特定に役立つ.食道多発ヨード不染帯やフラッシングを用いた評価法は食道・頭頸部癌の治療後の食道・頭頸部2次癌の予測因子になり,高リスクの食道癌患者では禁酒・減酒の2次癌予防効果が報告されてきた.重複胃癌の背景因子も解明されつつある.