日本消化器病学会雑誌
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今月のテーマ(総論):便秘診療の最前線
新しい便秘診療の考え方
三輪 洋人
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2018 年 115 巻 11 号 p. 933-939

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抄録

便秘はQOLを低下させるため適切な治療が必要であるが,最近患者と医師の間では便秘の認識の差が明らかとなっている.医師は便回数など客観的症状に注目しているが,患者はむしろ腹部症状を重要視している.わが国の便秘診療の特徴は,緩下剤である酸化マグネシウム(カマ)と刺激性下剤の使用が極端に多いことである.酸化マグネシウムは優れた緩下剤であるが,最近高マグネシウム血症の報告があり注意を要する.また刺激性下剤は効果が高いものの,習慣性や耐性を生じるので慢性的に使用すべき薬剤ではない.最近新しい機序を有する便秘薬が相次いで登場しているが,これらも上手に使って患者満足度を高める便秘治療を行うことが望まれる.

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© 2018 (一財) 日本消化器病学会
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