日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:十二指腸疾患診療の最前線
十二指腸粘膜からみた消化管機能異常
山脇 博士二神 生爾岩切 勝彦
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2018 年 115 巻 2 号 p. 177-183

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抄録

十二指腸は,胃内容物をアルカリ分泌によって中和する働きを持っている.加えてI細胞,K細胞,L細胞といったCCK,GIP,GLP-1産生細胞が十二指腸粘膜・小腸粘膜に局在しており,これらの消化管ホルモン産生により,栄養輸送に関わる消化管運動を制御しており,急激な十二指腸内腔への食物の流入を制限しているとされている.現在注目されている機能性消化管障害患者において,特に機能性ディスペプシア(FD)患者や慢性膵炎患者においても,食直後の胃・十二指腸運動の異常が報告されている.FD患者で報告されている十二指腸粘膜炎症および透過性の亢進との関連性については,その詳細な解析が待たれる.

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© 2018 (一財) 日本消化器病学会
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