日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
原著
Indocyanine green(ICG)蛍光法を利用した胃癌手術時のmarkingの有用性について―点墨に代わる方法としてのfeasibility study―
小野 博美草野 満夫二瓶 壮史林 秀幸福島 拓川上 雅人檀上 泰長島 君元清水 勇一川俣 太本多 昌平嶋村 剛西原 広史
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2018 年 115 巻 4 号 p. 385-393

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抄録

胃癌の内視鏡的marking法として,リポ蛋白と結合すると蛍光を発する性質を利用したindocyanine green(ICG)蛍光法が有用であるか検討した.手術3日前に内視鏡的に胃癌の周囲にICG溶液を粘膜下層に注入し,開腹時にphotodynamic eye(PDE)カメラで,腹腔鏡下手術では蛍光内視鏡で観察した.さらに術後切除標本を利用して蛍光輝度,蛍光の拡がりを観察した.早期胃癌8例,進行胃癌6例を対象とした結果,全例において術中切除範囲の決定に同法が有用であった.今後ICGの注入量,タイミングの技術的な面での検討が必要と考えられた.

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© 2018 (一財) 日本消化器病学会
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