2018 年 115 巻 5 号 p. 424-429
慢性肝疾患患者,特に肝硬変患者においてサルコペニアの頻度は,11~68%で高率であると報告されている.また肝硬変患者,肝癌患者(内科的治療・外科的治療),肝移植患者のいずれにおいても,サルコペニア合併は肝機能とは独立した予後因子である.そこでサルコペニアの統一評価のため2016年日本肝臓学会によって,握力による筋力とCTあるいは生体電気インピーダンス法による骨格筋量を評価することで診断する『肝疾患におけるサルコペニア判定基準』が作成された.サルコペニア合併慢性肝疾患患者への介入として,運動や分岐鎖アミノ酸などの栄養補助の有用性が報告されており,今後多数例での前向きな検討が必要である.