総胆管結石の診療においては,結石の存在診断と病態診断を行う必要がある.存在診断では,各modalityの利点,欠点,侵襲度を考慮して診断につなげていく.以前よりもMRCPと,診断困難例における超音波内視鏡の重要性が増していることを銘記されたい.CTではX線透過結石は描出されないこと,MRCPでは4mm以下の小結石の診断能は70%前後にとどまること,などが注意すべき点である.ERCPは侵襲度も高いので治療手技として施行すべきであり,できるだけ他のmodalityで診断を確定させるように努力する.病態診断では,胆管炎,胆石膵炎,胆囊結石が併存すると治療戦略が変わるので,注意する.