2021 年 118 巻 4 号 p. 312-317
総胆管結石症に対する治療戦略には,1期的治療と2期的治療がある.1期的治療は胆囊摘出術と総胆管切開切石術を同時に施行することであり,近年は腹腔鏡手術で行うことが多い.2期的治療はERCPでESTを施行し,内視鏡的に胆管結石の切石を行った後に,待機的に胆囊摘出術を行う.1期的治療は経胆囊管法と胆管切開法があるが,経胆囊管法は腹腔鏡下胆囊摘出術と術後経過はほぼ同様であるため,患者への負担や医療コスト面からも有用である.またESTによる乳頭機能低下を予防できるため,胆汁の細菌感染がなく結石再発率も低率である.1期的治療である腹腔鏡下総胆管切開切石術は,胆管結石に対し有用な治療戦略である.