日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
縦隔内に進展した膵仮性囊胞に対して内視鏡的に診断・治療し得た1例
中村 友哉柾木 喜晴川上 裕次郎石上 敬介室田 文子本谷 雅代仲瀬 裕志
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 118 巻 6 号 p. 578-585

詳細
抄録

症例は60歳男性.CTで縦隔内囊胞を指摘され,膵由来病変が疑われ当科紹介となった.ERPで頭部主膵管から造影剤の膵管外漏出を認め,EUS下囊胞穿刺で内液中の膵酵素高値が示されたため縦隔内膵仮性囊胞と診断した.EUS下囊胞ドレナージの後に長期的な内視鏡的経鼻膵管ドレナージ術を行うことで,膵液漏出部の自然閉鎖が得られた.縦隔内膵仮性囊胞の診断・治療における内視鏡的手技の有用性を,本邦報告と合わせて考察した.

著者関連情報
© 2021 (一財) 日本消化器病学会
前の記事
feedback
Top