2003 年 100 巻 4 号 p. 448-453
低用量cisplatin(CDDP), 5-fluorouracil(5-FU)による肝動注化学療法:low dose FP療法(LFP療法)が不変であった高度進行肝細胞癌患者に対し, リザーバーポートシステムを用いてepirubicin(epiADR)によるchemolipiodolization(CL)を1カ月に1回外来で合計7回施行することにより完全寛解を得た1例を経験した. 外来で施行可能なため患者のQOLが高められた. LFP療法は高度進行肝細胞癌に有用とされているが, 不変症例にはリザーバーポートシステムからのCLによる追加療法も考慮されるべきであると考えられた.