十二指腸乳頭部に関するレ線的研究
1971 年 68 巻 4 号 p. 263-282
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1971 年 68 巻 4 号 p. 263-282
十二指腸乳頭部の病変を追求する目的で, 新鮮剖検材料, 臨床例の乳頭部レ線像を検討し, 次の結果を得た. 1. 臨床的には縦ヒダ, 十二指腸乳頭を乳頭部として取扱かう必要がある. 2. 乳頭部レ線像を縦ヒダ, 開口部の関連より5型の基本型に分類した. 3. 分類は胆, 膵管開口型式, 入射角度と相関を有した. 4. 分類した各基本型の大きさ (分類I型の長径15mm以上, II型8mm以上, III型13mm以上, 短径7mm以上)と, 形態的変化は異常像でありその病態, 胆管像との相関, 組織像の検討より乳頭炎のレ線所見と考えられる. 5. 乳頭部嵌頓結石は特異的所見を有し, 乳頭部レ線像より診断が可能であり, 癌の診断には基本型を理解した凹凸の描写, 読影が最も重要である.
