日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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転移性肝癌患者血清における高密度リポ蛋白と Alkaline Phosphatase との関係
姜 健栄大平 貞雄斉藤 達雄
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キーワード: HDLとAl-Pとの関係
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1971 年 68 巻 8 号 p. 829-833

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抄録

転移性肝癌患者血清を超遠心法により Chylomicron, VLDL, LDLおよびHDL分画に分離し Cellogel 電気泳動を行なつた後 schiff 染色およびAl-P染色を施しリポ蛋白とAl-Pの泳動像を観察した.
1) 高分子量Al-Pである Band Iが分離されたのはHDL分画のみであつた. したがつ Band Iの密度はHDLと同じである. Band Iの電気泳動度もHDLと同じであつた.
2) 一般分子量Al-Pであ Band IIはリポ蛋白分画には認められず, リポ蛋白とは異なつた位置に泳動された.
3) RDE作用によつて, リポ蛋白の泳動度に変動はみられなかつたがAl-P の Band IはHDLの泳動位置から離れて陰極よりに移動し, Band IIも本来の位置から陰極よりに移動していた. したがつてこれらAl-P Band にはシアル酸が多く含まれていると思われる.

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