263例のnormal hypotonic duodenogramの走行について検討した.下行部が外側へ屈曲する型が多く (65.0%), 下膝部角度は孤状例を除き平均87.9±18.96 (標準偏差) 度で十二指腸の型により特長がみられた.これら型や角度が体位変換により著明に変る例は少ない.また背腹前後径や腹部皮下脂肪厚が特に厚い人では型は孤状を呈し, 下膝部角度もこれらが厚い人程大きくなる傾向が強かつた.十二指腸各部の位置ならびに各部位間距離は各対象のレ線上の椎体の大きさを単位とした.体位変換時の各部位の移動性は, 球部始部中点が最もよく動き, 下膝部中点, 十二指腸空腸曲頂点が左右方向では最も少なかつた.また, 十二指腸空腸曲頂点と上水平部頂点や下行部点との距離は, 腹部皮下脂肪厚が厚くなる程大きくなる傾向がみられた.