1972 年 69 巻 1 号 p. 79-96
1966年Buschらの報告した酸性核蛋白染色法の固定法を改良, すなわちホルマリン蒸気による固定をおこない, ヒトの血液細胞, 胃細胞の染色に使用出来るようにした.
この変法により, 酸性核蛋白は細胞質, 核膜の領域, interchromathic area, 核小体に存在し, RNAと比較的似た局在を示すことを観察し, DNA, ヒストソのそれとは全く異る所在を示すことを証明した.
この結果をもとにこの染色法をヒトの胃癌細胞診に応用し, 癌細胞は核のinterchromatinic areaの構造が密で不均等小顆粒状を呈するものが多いとゆう結論を得た.