日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
血清Bilirubin蛋白結合の解離についての検討
柴田 久雄伊藤 綏
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1972 年 69 巻 7 号 p. 673-680

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抄録

従来血清中のBilirubinは主としてAlbuminと結合していると考えられていたが, Sephadex G25を用いて血清Bilirubinをゲル濾過すると10mg/dl以上の濃度の高抱合Bilirubin血症にかぎつておくれて溶出される分画が認められた. この分画はDiazo陽性の非蛋白結合性でBilirubin蛋白結合部分より胆汁酸を加えることにより遊離されて来る. この比率は総Bilirubin濃度に比例するが急性肝炎回復期には比率が小さい. 又透析性Bilirubin及び尿Bilirubinと相関する. Alubumin自体はBilirubinと強い結合能力をもつているのにかかわらず, 血清中ではこの結合能力は胆汁酸等によつて弱められ, この分画を生じこれが尿中Bilirubinの原因であると考えられる.

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