1973 年 70 巻 1 号 p. 50-58
尿中に排泄される amylase を単位/時間で表現し, これを5~7日間連続測定することが, 膵障害のscreening test として極めて有用な方法であることを, 950名の健常者, 消化器病患者で, 検討した結果から報告する.
hyperamylasuria は膵疾患及び膵障害合併疾患患者に多くみられるが, 慢性膵炎や膵癌でも40%前後は尿 amylase の上昇がみられない. この hyperamylasuria を呈する群より normoamylasuria 群の方がP.S. 試験成績の異常が高い. 尿 amylase の異常高値は dynamic な病変を表現し, P.S. 試験は static な病変を表わすと思われ, 尿 amylase の連続測定は, 軽度膵障害の発見のための極めて重要な検査法と思われる.