1973 年 70 巻 4 号 p. 335-350
生理的条件下における1. 日の胃液分泌動態を正しく理解し, 理にかなつた治療を行なうために, pH測定用ラジオカプセルを使用して, 消化器疾患患者100名につき, 1日の胃内pHの推移を観察した. 胃液分泌においては日内変動に個人差並びに疾患差が認められた. 十二指腸潰瘍の成因においては, 日中を含めての持続型高酸が関与するものと考えられた.
また近年注目されている secretin による十二指腸潰瘍治療を胃内pHの面から検討した. 空腹時における secretin 50uの筋注は十二指腸潰瘍治療に利用出来るものと考えられる.