1973 年 70 巻 7 号 p. 643-657
肝生検により診断を確認した肝細胞障害45症例にICG試験およびBSP試験と病理組織所見とを対比検討した.
KICGと相関したものは小葉改築, aICGはグ鞘の線維化と小葉改築であり, KBSPとはグ鞘内細胞浸潤と限界板の破壊および小葉改築であり, aBSPはグ鞘内細胞浸潤と限界板の破壊であつた.
有意な相関のあるKICGとKBSPおよびR15ICGとKBSPについて棄却検定により解離例を検討したが,慢性肝炎活動型2例と肝硬変活動型1例が見出され, 肝に炎症性変化があるとき色素移送の差があるものと考えられた.