日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
膵管ドレナージ法による膵外分泌機能の検討
白相 光康
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1973 年 70 巻 7 号 p. 658-672

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抄録

上腹部手術に膵管ドレナージを行ない6時間毎に採液, 術後膵外分泌機能を検討し, 以下の結果を得た. 1) 膵外分泌機能は手術後10~14病日で回復する. その推移は術式に関係なく同様の傾向を示した.2) 胃管抜去, 食事開始による膵外分泌量の変動は, 検索期間では全体としての回復の推移に特に影響を与えなかつた. 3) 一日の膵外分泌の変動では夜間の分泌量が最も少なかつた. 4) 膵組織が正常な成人例の液量, HCO-3, 各酵素の一日量を規定し得た. 5) 光顕的に膵組織が正常なものは, 組織計測的に処理すると実質量が90%以上を占めていた. 6) 膵実質量と膵外分泌量の間には, 内, 外因性膵刺激下においても, ほゞ平行関係がみられた.

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