日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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血清 Bilirubin 蛋白結合の解離についての検討 (その2)
Bilirubin の組織染着性より見た黄疸の発生機序
柴田 久雄伊藤 綏加島 弘
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キーワード: 黄疸
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1973 年 70 巻 8 号 p. 835-840

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抄録

高 Bilirubin 血症の成因については多くの研究があるが黄疸すなわち Bilirubin による組織の染着の機序は明らかでない.
この報告では Collagen 及び Elastin を用い試験管内で Bilirubin その他の色素を混合し, 染着の状態を観察し, 上清の濃度を測定して染着の量を想定した. その結果高抱合 Bilirubin 血清は, Collagen, Elastin を染着し, その染着の主たる部分は非蛋白結合 Bilirubin であつた.
一方高非抱合 Bilirubin 血清はそれのみでは Collagen Elastin を染着せず, 染着のためには界面活性剤を必要とした. 又この場合その黄染の色調は高抱合 Bilirubin 血清の場合と異つていた.

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