1974 年 71 巻 1 号 p. 1-8
高amylase血症の鑑別診断を目的として血中のamylase isozymeの簡便な分離定量法を確立した.定量化には再現性があつた.正常血液中の主なamylase isozymeとして唾液型と膵臓型が分離された.血中での正常値は唾液腺型が35~113somogyi単位/dl, 膵臓型が27~83somogyi単位/dlであつた.唾液腺型の増加は唾液腺炎, 一部の肝胆道疾患に認められ, 膵臓型の増加は膵疾患あるいは膵管造影後にみられた.この方法により高amylase血症の鑑別診断が少なくとも膵疾患と非膵疾患の弁別という点で可能なことを示した