1974 年 71 巻 11 号 p. 1137-1142
大腸fiberscope検査において観察の困難または不可能な部位が存在する.通常挿入時にはrectosigmoid, 下行結腸肛側端, 横行結腸肛側端と右半口側端, 上行結腸肛側端がそれであり, 横行結腸右半口側端が最多である.抜去時にはS状結腸口側端, 横行結腸右半肛側端と口側端, 上行結腸肛側端であり, 挿入時と同様に横行結腸右半口側端が最多である.これらの対策として軸回転操作を加えた頻回の挿入技去, 体位変換, α-loopやγ-loopの形成により対処しうる事もあるが, 右結腸曲を中心とする口側・肛側はい・まだ観察上困難な部位として残存し解決しえない.これら盲点の観察にdouble angle機構を有するcolonoscopeは有効と思われ, 第1関節の屈曲心点を可及的先端に近づける事を追加提案した.