日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
α-fetoproteinに関する研究
第2報 原発性肝癌におけるα-fetoprotein産生におよぼす諸因子の検討
岡本 佳千
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 71 巻 11 号 p. 1143-1150

詳細
抄録

組織学的に確診し得た原発性肝癌40例のうちImmunoelectrosyneresis法でα-fetoprotein (AFP) 陽性症例をAFP高濃度群, 陰性症例をAFP低濃度群とし, この両群と肝の肉眼的, 組織学的形態との相関ならびにオーストラリア抗原 (HB抗原) の関係を検索した, 肉眼的形態とAFP濃度との問には特別な相関は認められなかつたが, 高濃度群では結節型が, また低濃度群ではび慢型が多く, 組織形態とAFP濃度の関係はEdmondsonらの分類によるIV型の症例でAFP濃度は低い傾向があつた.肝重量とAFP濃度との関係については, 経過中常に低濃度群に属した症例では肝重量が軽い傾向があつた.またHB抗原との関係では低濃度群に比し高濃度群にHB抗原陽性例が多かつた.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top